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コラム * ローカルトレンドニュース
from osaka
鈴木 悟史

息子とアドベンちゃぁ〜 U


 <前号までのあらすじ>
 10歳の双子の息子に親父としての威厳を示すチャンス到来とばかりに、子どもの頃慣れ親しんだ山道を散策し始めた主人公。

 ところが30年の歳月により山の環境が一変。抜け道がバリケードで封鎖され進めない。覚悟を決めた主人公は息子2人と脇の崖下りを敢行。

 わずか落差30m、崖下の小川を目指すものの、おそらく人が入った形跡のない森は、日差しも届かず落ち葉に膝まで埋まる悪条件。朽ちた木々が行く手を阻み思うように進めない。

 ようやく小川に辿り着くが、苔むした河岸に足を取られる。気が付けばすでに夕刻。もう戻れない。ここで一夜を明かすか‥‥。
  すると、突然長男が、

「うおお〜ッ!」
きのこ発見!

「お父さん、アメちゃんもまだあるねん。食料は大丈夫や」
 息子たちよ、なんてたくましくなったんだ。

「お前達、川沿いに下るぞ。ついて来い」

  しかし、身軽な次男は私を置いて先に進む。川の対岸に渡り、今度は崖を登る。次男の姿は崖を登りきり見えなくなった。

「待ってくれぃ〜」
 しかし、返事はない。

「?。どうした。…今、行くから待っていろ」

 遅れること約3分。崖を登りきると、そこには大空が。そして、眼下に広がる高級分譲墓地、水道完備!お彼岸も重なり賑わいをみせる墓苑で、息子は何事もなかったように手水場で手を洗っている。

 時間にしてわずか45分。幻だったのか、アドベンちゃぁ〜はあっけなく終わった。
 がっかりする反面、まさか分譲墓地裏で遭難するわけがないという、私の後出しジャンケン的安堵感。しかし内心、「ふぅ、助かってよかった」

 息子たちへ。「教訓!見たか親父の背中を。人生、たまには後戻りも必要だ。P.S.お母さんには内緒だぞ!」

(すずき さとし/関西支店)


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